ふとした出来事で、心の奥にざらっとした痛みが走ることがあります。
それは恋愛感情とは少し違っていて、でも確かに私の自己肯定感を揺さぶってくるもの。
今回は、そんな出来事について書いてみようと思います。
「誰かに好かれたい」わけじゃないのに、どうしてこんなに心がざわついたんだろう。
答えは出てないけど、その違和感に気づいた日のことです。
なぜか傷ついた出来事
ある日、マッチングアプリではないSNSで知り合った男性と昼間に出かけました。そして「このあと飲み会があるんだけど、よかったら来る?」と誘われ、自然な流れで参加することに。
飲み会には最終的に30人近くが集まり、8割ほどが男性。 ほとんどが初対面のようで、少し緊張感はあったものの、お酒も入っていて、場は賑やかに盛り上がっていました。
そんな中、ふと周囲を見渡すと、男性たちが明らかに2人の美人な女性に集中しているのに気づきました。 彼女たちの周囲には常に男性がいて、まるで順番待ちのように、その場を離れようとしない様子。
私も彼女たちと話してみたいと思ったけれど、10人近くの男性が常にそばにいて、その隙すらありませんでした。
その瞬間、胸の奥がひやりと冷たくなるような感覚に襲われました。
「私は、ああいうふうに注目される存在じゃないんだな」
そう思った瞬間、心の中の自己肯定感がふっと揺らぎました。
モテたいわけじゃないのに
私は、男性にモテたいと思っているわけではありません。 媚びるようなこともしたくないし、恋愛を目的に飲み会へ行ったつもりもありません。 むしろ私は、「モテること=自分の価値」とする考え方に違和感を抱いている側です。
だからこそ、そんな自分が他人と自分を比べて静かに落ち込んでしまったことに、戸惑いを覚えました。
「モテたいわけじゃない」 でも、目の前で“モテている”という状況を見せられると、自分がそうでないことに、小さな傷を感じてしまう。
その矛盾が、自分でもどうにも説明がつかなくて、複雑な気持ちになりました。
(もちろん飲み会自体は楽しく、私に話しかけてくれた人もいたという事実もあります。)
心を乱されたのは、「軽く扱われた」と感じたから
帰り道、最初に一緒に散歩をした彼が「バス停まで送るよ」と言ってきました。 少し引っかかる気持ちはありましたが、断りきれず、なんとなく一緒に行くことに。
歩いている途中も、何度か肌が触れそうになる距離に近づいてきたり、腰に手を添えて歩道側に誘導してきたり。 私は自然と身構えてしまいました。 でも、その場の空気を壊したくなかったのと、「いい人だろうから」という思いから、何も言わずに普通に会話を続けていました。
バスの中でも和やかに話し、私が降りるタイミングで「今日は楽しかったね」と言い合ったその瞬間、 彼が突然耳元で「ありがとう」とささやき、頬にキスをしてきたのです。
全身が一瞬で凍るような感覚になりました。 私はそんな気持ちは一切なかったし、距離感も大切にしていたつもりでした。
「どうして、こんなことをされなきゃいけないんだろう」 「どうして、私の気持ちは無視されてしまったんだろう」
その行動が一方的で、私の気持ちを尊重していないように感じられて、心の奥がざわつきました。
恋愛感情じゃない。でも確かに心は揺れた
恋愛に失敗したわけでも、好きな人に振られたわけでもない。 でも、今日の出来事はたしかに私の心を揺らしました。
モテていないという現実があらわになったような感覚。 期待していなかったのに、好意を押し付けられて、それに応えられなかった自分を責めてしまいそうになる感覚。
「どうして私は選ばれないんだろう」 「どうして私は軽く見られてしまうんだろう」
そんな思いが心をよぎるたびに、自分の輪郭が少しぼやけてしまうような、不安定な気持ちに包まれていました。
自分の気持ちに、やさしく寄り添いたい
「選ばれなかった」からといって、自分に価値がないわけじゃない。 「軽く扱われた」と感じたからといって、自分が悪いわけでもない。
そう頭で理解していても、心が傷つく瞬間はたしかにあります。
「モテたいわけじゃないのに、落ち込んでしまった」 「期待していなかったのに、心がざわついた」
そのどれもが“本当の私の気持ち”。 だからこそ、自分にやさしくなりたいと思います。
「今日もちゃんと感じて、ちゃんと傷ついたね」って、自分自身に声をかけてあげたい。
他人の評価に左右されず、自分の感覚を信じて、自分を丁寧に扱ってあげたい。
恋愛における自己肯定感が、うまく育てられないとき
普段の私は、自分を信じてる。努力してきたし、自分のことを好きだと胸を張って言える。 でも、恋愛という場になると、とたんにその自信が揺らいでしまう。
誰かからの好意が重く感じることもあれば、誰にも好かれていないようで落ち込むこともある。 それは矛盾しているように見えて、どちらも本音で、どちらもリアルな感情。
モテている人を見ると、自分にはない何かがそこにあるような気がして、つい比べてしまう。 「あんなふうにはなれない」と感じて、恋愛における自己肯定感だけが置いてけぼりになる。
でも今、その痛みにちゃんと気づけたこと。それだけでも、本当にすごいこと。
この揺らぎも、このやるせなさも、全部ひっくるめて“私”。だからこそ、優しく向き合いたい。
恋愛に限らず、自分の心が「つらい」と感じた瞬間に気づけたなら、 まずは深呼吸して、「それでいいよ」とそっと声をかけてあげられる自分でいたいと思います。
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